2024年の世界の建設機械企業TOP50

業界

建設機械は世界中のさまざまな国の沢山のメーカーが製造・販売しています。

皆さんは世界の建設機械メーカーの上位50社にどの様な企業がランクインしているかご存じでしょうか?

建設機械情報を提供する KHL社の2024 年のイエローテーブル(建設機械)によると、2023年、上位50社の建設機械販売額は2,434億USDに達し、過去最高となった。

そのうち、日本企業は8社、米国企業は6社、中国企業は13社がランクインしています。

この記事では今回は世界の建設機械メーカーのTOP50の状況と日本メーカーの状況を紹介していきます。

結論は、TOPはCaterpillarで以下先進国メーカーが続く業界図だったものが、2009年頃からランキングに中国企業が入ってきており、現在ではアメリカ、日本、中国企業で2/3の売上規模を占める様になってきた。またランキング1位、2位の座は20年以上変わってないが今後業界の勢力図がどの様に変わっていくのかに注目していきたい。

ランキング TOP50

●TOP50に日本メーカーは8社ランクイン

2024 年のイエローテーブル(建設機械)よりTOP50のランキングを下表に示します。

日本企業は8社、米国企業は6社、中国企業は13社ランクインしています。

また、1位と2位の売上規模が突出しており、ほぼ不動の位置となっており、3位以下が毎年ランキングの入れ替わりが発生しているという状況です。(ちなみに1位と2位でTOP50の売上の27.2%を占める)

Rank企業名国名売上(億USD)シェア
1Caterpillarアメリカ41016.8%
2コマツ日本253.210.4%
3John Deereアメリカ147.956.1%
4徐工集団(XGMG)中国129.645.3%
5Liebherrドイツ103.24.2%
6三一重工 (SANY)中国102.244.2%
7Volvo ConstructionEquipmentスウェーデン98.924.1%
8日立建機日本91.53.7%
9JCBイギリス80.823.3%
10Doosan Bobcat韓国73.833.1%
11Sandvik Mining and Rock Technologyスウェーデン72.713.0%
12中連重科(Zoomlion)中国58.132.4%
13Metso Outotecフィンランド56.832.3%
14Epirocスウェーデン55.912.3%
15Terexアメリカ51.522.1%
16Oshkosh Access Equipmentアメリカ49.92.0%
17クボタ日本42.951.8%
18CNH Industrialイタリア391.6%
19柳工集団(LiuGong)中国38.421.6%
20HD Hyundai Infracore韓国35.71.5%
21HD Hyundai Construction Equipment韓国29.31.2%
22コベルコ建機日本28.891.2%
23Wacker Neusonドイツ28.721.2%
24Manitou Groupフランス26.751.1%
25Palfingerオーストリア26.511.1%
26住友重機械工業日本25.851.1%
27Fayat Groupフランス22.720.9%
28Manitowocアメリカ22.280.9%
29タダノ日本19.960.8%
30Hiabフィンランド15.860.7%
31山推(Shantui)中国14.720.6%
32中国龍工 (Lonking)中国14.690.6%
33竹内製作所日本14.590.6%
34臨工重機(LGMG)中国140.6%
35Astec Industriesアメリカ14.380.5%
36Ammannスイス12.840.5%
37中国鉄建重工(CRCHI)中国9.830.4%
38Bauerドイツ9.310.4%
39浙江鼎力(Dingli)中国8.810.4%
40Skyjackカナダ8.660.4%
41山河知能(Sunward)中国8.490.3%
42Haulotte Groupフランス8.30.3%
43同力重工(Tonly)中国8.180.3%
44Hidromekトルコ7.570.3%
45Sennebogenドイツ7.470.3%
46Bell Equipment南アフリカ7.450.3%
47ヤンマー日本7.280.3%
48Merloイタリア6.920.3%
49雷沃重工(LOVOL)中国6.780.3%
50星邦智能(Sinoboom)中国5.280.2%

売上規模を国別で分類

●日米中で65.7%

売上規模はアメリカ、日本、中国でなんと65.7%を占めています。

アメリカは1位のCaterpillar社の16.8%が、日本は2位のコマツ社の10.4%の影響が大きい。

企業数を国別で分類

●中国がダントツ

TOP50にランクインしている企業を国別に分類すると、中国:13社、日本:8社、アメリカ:6社と中国の企業数が突出しています。

ちなみに上記企業でTOP10ランクイン数をみると、中国:2社、日本:2社、アメリカ:2社と横並びです。

各社の製品ラインナップ

Caterpillar

●業界No.1の風格

出展元:Caterpillar

Caterpillarは不動の1位なだけあり、総合建設機械メーカーとして呼ぶに十分な製品ラインナップを揃えており、死角なしといったところ。

日本の建設機械メーカー

コマツ

●さすがの品揃え

出展元:コマツ

日本を代表する総合建機メーカー。

土木、採石、マイニング、解体・産廃・リサイクル、林業、農畜産向けに各現場に応じた製品ラインナップが揃っている。

日立建機

●油圧ショベルが主軸

出展元:日立建機

油圧ショベルを軸にホイールローダ、ダンプトラックや応用製品などを展開。

得意な領域に特化した製品ラインナップ。

クボタ

●小型製品に特化

出展元:クボタ

クボタは農機が主力製品であり、建設機械は小型製品のラインナップとなっている。

また、近年中型製品へのラインナップ拡充をすすめているようだ。

コベルコ建機

●建設、土木製品を展開

出展元:コベルコ建機

油圧ショベルが主力製品。その他にクレーン製品や道路機械などを取り扱う。

油圧ショベルはハイブリッドショベルや電気ショベルもラインナップ。

住友重機械工業

●応用製品に注力

出展元:住友重機械工業

油圧ショベル、クローラクレーン、道路機械などを取り揃えている。油圧ショベルは低燃費モデルや応用製品に注力している。

タダノ

●クレーン製品に特化

出展元:タダノ

クレーン製品が主力。その他にも高所作業車などの製品を取り扱っている。

竹内製作所

●小型製品に特化

出展元:竹内製作所

小型建設機械のメーカー。主力製品はミニショベル(製品質量6トン未満)、油圧ショベル(製品質量6トン以上)、クローラーローダーとなっている。

ヤンマー

●建機は都市開発向けが主力

出展元:ヤンマー

ヤンマーも農機が主力製品。建設機械は都市開発などの用途に注力しているため小型製品がメイン。

ディーゼルエンジンは外販もしており、他の建機メーカーの小型油圧ショベルなどに採用されている。

中国の建設機械メーカー

徐工集団(XGMG)

●中国の総合重機メーカー

出展元:XGMG

Caterpillarに匹敵する製品ラインナップを有する。また建設機械以外にも農業機械や環境機械なども製品ラインナップを揃えている。

油圧ショベルは700tクラスなど超大型のクラスまでラインナップを揃えている。

bauma China 2024では300トンクラスの超大型油圧ショベルを出展。また日本ではCSPI-EXPO-2024にも出展していた。

三一重工(SANY)

●幅広い製品群

出展元:SANY

主力事業はコンクリート機械、油圧ショベル、クレーンだが、その他の製品も幅広く取り扱っている。また港湾機械や発電設備などの製品も取り扱う。

油圧ショベルは300tクラスなど近年は超大型クラスのラインナップに注力してきている。

bauma China 2024では200トンクラスの超大型油圧ショベルを出展。

中連重科(Zoomlion)

●重機総合メーカーのラインナップ

出展元:Zoomlion

前者のXGMG、SANYに劣らず幅広い製品ラインナップを有する。建設機械以外にも農業機械や環境機械もラインナップとして揃えている。

油圧ショベルは400tクラスを開発し、SANY同様に近年超大型クラスのラインナップに注力してきている。

柳工集団(LiuGong)

●電動化建機に注力

出展元:LiuGong

ホイールローダー、油圧ショベル、道路機械、オフロードダンプトラックなど幅広い建機のラインナップ。

電動化製品に注力している。

CSPI-EXPOにも日本の建機メーカー同等のブース面積で出展していた。

山推(Shantui)

●ブルドーザーに強み

出展元:Shantui

油圧ショベル、ホイールローダー、道路機械、ブルドーザー、オフロードダンプトラック等。

bauma China 2024では200トンクラスの超大型油圧ショベルを出展。

中国龍工(Lonking)

●ローダー製品に強み

出展元:Lonking

油圧ショベル、ホイールローダー、ロードローラー、スキッドステアローダー等。

臨工重機(LGMG)

●油圧ショベルはVOLVO合資

出展元:LGMG

シザーリフト、ブームリフト、鉱山機械が主力。

またVOLVO合資のSDLGブランドで油圧ショベル、ホイールローダ、モーターグレーダー、ロードローラーなどの製品を展開している。

山河知能(Sunward)

●油圧ショベル、特殊機械に強み

出展元:Sunward

油圧ショベル、クレーン製品、リフト、道路機械などの製品ラインナップを展開。

雷沃重工(LOVOL)

●ショベル、ローダー、トラック

出展元:LOVOL

WEICHAIグループの子会社。建機のラインナップとして油圧ショベル、ホイールローダー、オフロードダンプトラックをラインナップ。

bauma China 2024では150トンクラスの超大型油圧ショベルを出展。

まとめ

TOPはCaterpillarで以下先進国メーカーが続く業界図だったものが、2009年頃からランキングに中国企業が入ってきており、現在ではアメリカ、日本、中国企業で2/3の売上規模を占める様になってきた。

各社の製品ラインナップをみると、やはりランキング上位の企業は製品ラインナップが充実しているようだ。

Caterpillarは不動の1位なだけあり、総合建設機械メーカーとして呼ぶに十分な製品ラインナップを揃えている。

日本メーカーではやはりコマツはCaterpillarと遜色ない製品ラインナップを揃えており総合建設機械メーカーといえるであろう。

中国メーカーだと徐工集団(XGMG)はCaterpillarに対し見劣りしないだけの製品ラインナップを揃えている様だ。

また、中国メーカーはこれまでは比較的模倣しやすい小型・中型製品がほとんどだったものが、XGMG、SANY、Zoomlion、LiuGong、Shantui、LGMGなどがマイニング向けの超大型製品を開発・市場投入してきており、先進国メーカーと遜色ない製品ラインナップとなってきた。

Yellow TableのTOP50のランキング1位、2位の座は20年以上変わってないが、今後先進国メーカーは中国メーカーの追従に対しどの様に対処するのかによっては、今後業界の勢力図がどの様に変わっていくのかに注目していきたい。

本ブログでは重機メーカーの生産工場の動向についても掲載しているので興味があればご覧になってください↓↓↓

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